解説

　イギリスの映画監督ジョン・シュレシンジャーによるアメリカン・ニューシネマの傑作。同氏はこの作品でアカデミー監督賞を受賞した。魔都ニューヨークを舞台に、ふたりの男が富と名誉を得るためにもがく姿を描き出す。その題材が理由で公開時は成人指定だったが、アカデミー賞受賞後は指定が撤回された。

物語

　テキサスの片田舎からカウボーイの姿で大都会ニューヨークにやってきたジョー（J・ヴォイト）は、自身の美貌を利用して男娼をやり、それを足がかりに成功することを目論んでいた。だが最初の客に騙され、一文無しとなってしまう。そんなジョーはある日、足が不自由で病気がちなペテン師のラッツオ（D・ホフマン）と出会う。次第にラッツオと友情を深めていくジョーは、ふたりで泥沼から這いあがろうとするが……。

こぼれ話

当初ジョー役は、TVシリーズ『バークレー牧場』（1965～1969）のヒース役で人気を博していたリー・メジャースを起用する予定であったが、『バークレー牧場』の新たなシーズンが開始されることが決まり、断念。次は『早撃ちガンマン』（1967）などに出演していたマイケル・サラザンにオファーされるも、賃金交渉で決裂して断念。その後釜としてジョン・ヴォイトに白羽の矢が立った。