実施概要 facebook twitter

よくあるお問い合わせ 皆様より多くお寄せいただきました「午前十時の映画祭」についてのご質問にお答えいたします。

「午前十時の映画祭」について

「なぜ、午前十時なのか。夕方以降のほうがより多くの観客が見られるのではないか。」について

ご指摘の通り、平日の午前十時では仕事や学校の関係で見られないお客様は数多くいらっしゃると思います。今回の映画祭を始めるに際し、「午前十時」に決めた最大の理由は、これが作品と映画ファンの出会う最も効果的な時間と考えたからです。

映画興行では、毎日毎日、作品同士の競争が行われています。強ければ強いほど座席数の多いスクリーンが用意され、大ヒットすれば複数のスクリーンで上映されることもあります。反対に興行成績が芳しくない作品は座席数の少ないスクリーンが用意され、上映回数も少なく、上映期間も短くなる場合があります。
こうした中、最も入場者が多いのが、1週間の中では土日祝であり、平日では夕方以降の時間帯です。ですから当然、強力な新作群(つまり大きな興行成績が期待できる)はこうした曜日・時間帯を最も大切にします。これは映画ビジネスとしては当然の行為です。もしこの時間帯を「午前十時」の作品群が希望する場合、「ショーシャンクの空に」や「ニュー・シネマ・パラダイス」そして「ローマの休日」のように人気の名作数本は可能かも知れませんが、そうではない名作は希望はかなわず、入れ替わる新作の合間合間に上映されることになります。

「なぜ映画館で映画を見ないか」という映画業界の調査によると、「何時から上映されているか、わかりにくいから」という理由が上位にあります。上映時間を作品の需給関係に任せますとその上映時間が不定期になり、そのため「いつ上映されているかわからない」状態での映画祭になり、結局は名作と映画ファンが出会う機会が減ってしまいます。

今回の映画祭の特徴のひとつが、「どこの劇場で、何時から」という告知不足が最初からないことです。25の劇場では、「毎日、朝十時」から必ず上映されています。今回の「午前十時」がベストではないこと、映画ファンにご不便をおかけしていることについては申し訳なく思っています。ご不便を少しでも緩和すべく、上映劇場に対しては、可能ならば基本の午前十時以外にも上映回を増やして頂けるようお願いをしております。各劇場の上映時間の追加に関しては、上映劇場の公式サイトでご確認下されば幸いです。

「上映館が少ない。増やすことはできないのか。」について

お近くに上映劇場のない皆様には、本当に申し訳ありません。本映画祭は、過去に類例のない全く初めての企画のため、果たしてどのくらいのお客さまにご支持いただけるのか、予測がつかない部分もございました。はじめてしまうと約1年間上映を続けなくてはならず、仮にお客様が少ないと、上映していただく全国の劇場にも大きな負担をかけることになります。

そのため、上映劇場を限定させていただきました。現在のところ、幸い、本当に数多くのお客さまにご支持いただいておりますが、50本のフィルムをローテーションで上映しているため、残念ながら途中から上映劇場を増やすことが不可能な状況です。

「日本映画はないのですか?」について

当初の企画の構想には、「世界の名作」を見ようというコンセプトはございましたが、一方では、東京国立近代美術館フィルムセンターが毎年、優秀映画鑑賞推進事業を行っていて日本映画の秀作を全国で巡回上映しています。

また松竹・東映・東宝など日本映画各社も それぞれ、自社の秀作映画の上映企画を独自に持っています。
今回の映画祭は、今スクリーンで見る機会が少なくなった外国映画に絞らせていただきました。
どうぞご理解ください。

「知られた名作ばかりで、つまらない」について

近年、特に若い人の洋画離れが顕著な中、本映画祭は、映画ファンの育成を目指しています。 映画の歴史の中でも傑出した作品を最高の状態で鑑賞してもらう、それによって映画がもっと好きになる、そんなことを望んでいます。 またシニアの方たちに、「本物の映画」を見たい、そんな大きな期待があるように思います。

映画をよく見るファンの方にも、「一度見たから、もう見なくてもいい」のではなく、亡くなった映画評論家 淀川長冶さんのこの言葉をお知らせしたいと思います。
『いい映画を選んで、何回も何回も見ることがたいせつです』

「午前十時の映画祭」の今後について

劇場のデジタル化がさらに加速する中、フィルム上映での開催は物理的に困難となり、「午前十時の映画祭」は「第三回」の開催をもって一旦終了することになります。
これだけの数の傑作娯楽映画をニュープリントで観ることが出来る最後の一年と言って過言ではないと思います。お一人でも多くの皆様に素晴らしい映画体験をしていただきたいと願っております。

なお、映画祭実行委員会といたしましては、将来的に名作映画の数々がデジタル化され、機が熟せば、今度はデジタル上映による「午前十時の映画祭」を模索していきたいと考えております。

プリントについて

上映作品の音響フォーマットについて

今回「午前十時の映画祭」において上映される作品は、オリジナル版を原則に、現在入手しうる一番良い状態のものをオーダーしています。それぞれの権利者によってネガの状態も異なるため、画質・音質とも作品によって様々ですが、特に音響フォーマットに関しては、作品によって、また制作年度によっても大きな違いがあります。

特に、デジタルリマスターやレストアを経た作品は音響もノイズリダクションしているため、旧作とは思えないクリアなものになっています。
また、オリジナルの時代にはない音響フォーマットのサウンドトラックが付いているものもありますが、実際に試写してみると、逆に聞き取りにくく、使えない場合もありました。
旧作の場合、プリントを実際に廻してみるまで、音響フォーマットがどの程度使えるかは判断できません。

また、デジタルフォーマットでは、プリントの状態により、途中でアナログに落ちるケースも考えられるため、最終的には上映劇場の判断になります。あくまでもオリジナル状態の音響フォーマットが基本となります。

上映作品のスクリーンサイズについて

映画作品にはスタンダード、ビスタ、スコープという三つのスクリーンサイズがあり、更にビスタには所謂ビスタの他にヨーロッパビスタという異なるスクリーンサイズが存在します。
また70mmフィルムで撮影された作品はスコープサイズに近いものの、多少縦横比が異なります。

現在、日本での興行はシネコンが中心となっていますが、全般に合理化が進んでいるこうした施設においては、ビスタとスコープの二つのサイズでの上映を基本としているため、それ以外のサイズでの上映は何らかの制約が伴います。
具体的にはサイズに適合するレンズがないケースや、上映させるスクリーンの縦横比が上映作品と合わないケースがあります。

今回の「午前十時の映画祭」では、まずスタンダードサイズ用のレンズを所有していない劇場に対しては、主催者がレンズを貸与して上映できるようにしています。
ただし、スクリーン自体がスタンダードサイズにあわせて狭める構造にはなっていない劇場が多くあり、そうした劇場ではスクリーンの両サイドに黒い部分が出てしまいます。
同様に、ヨーロッパビスタや70mmをそのまま35mmにしたプリントの場合、上下が少し切れるか、左右に若干の黒い部分が出てしまいます。 できる限り、オリジナルな状態で音響やスクリーンサイズの再現を目指していますが、物理的な制約でやむを得ずご不便を掛けることもあると思います。 これに関しては、ご容赦いただきますようお願いいたします。

「オリジナルニュープリント」について

映画は、劇場でフィルムが映写されて、初めて、我々は見ることができます。
しかし、映写機をフィルムが通るたびに、少しずつ傷つきます。
何百回、何千回と映写されることによって、いわゆる「雨が降る」という状態になります。
また、熱い光源で映写されるため、傷以外の劣化も進みます。

今回の「ニュープリント」は、権利元に保管されたマスターネガから、本映画祭用に特別にプリントされた新しいフィルムです。国内に以前から保存されている使い古されたフィルムではありません。

劇場の大きなスクリーンで50本の名作が高画質で蘇ります。
どうぞご期待ください。

第三回 午前十時の映画祭のTOPに戻る