解説
組織に追われる男女の逃避行を描いたクライムアクションの傑作。ジム・トンプスンによる原作小説を、バイオレンスの巨匠サム・ペキンパー監督が映画化。音楽はクインシー・ジョーンズが担当した。スティーヴ・マックィーンとサム・ペキンパーがタッグを組んだ本作は、バイオレンスシーンにおけるスローモーション撮影をはじめ、独特の映像表現がその後のアクション映画の手本になったとも云われている。
物語
テキサスの刑務所からドク・マッコイ(S・マックィーン)が出所した。銀行強盗で服役中だったが、地方政界の実力者で犯罪組織との繋がりをもつベニヨンと裏取引を行ったのだ。ドクは愛する妻キャロル(アリ・マッグロー)に出迎えられ、ベニヨンとの取引の条件だった銀行襲撃の計画を立てる。銀行からの大金強奪は成功した。だがこの計画には盗んだ金を独占しようとするベニヨンのたくらみがあったのだ。犯罪組織と警察の両方から追われる身となったドクとキャロルはメキシコを目指す。
こぼれ話
本作で、パトカーを散弾銃で破壊するシーンはS・マックィーンのアイデア。他にも様々なシーンを提案してS・ペキンパー監督を感心させている。しかし意見がぶつかることもあり、二人の間には確執があったといわれる。だが、ペキンパー監督のインタビュー集によると、「スティーヴのことは好きさ。タフな男だからね。奴はいい映画を作るためにたくさんの注文をつけるんだ。彼を嫌う人間もいるが、私は好きだね。」と語っている。マックィーンも「サムは傑出した映画作家だ。あんなに仕事に没頭できる人間には感服するよ」と述べている。