解説
オードリー・ヘプバーン主演によるミュージカル映画の傑作。階級社会の文化が色濃く残る、20世紀初頭のイギリス社会を舞台に繰り広げられるロマンティック・コメディ。1964年のアカデミー賞では最優秀作品賞など8部門を受賞し、大ヒットを記録した。ブロードウェイで6年半のロングラン公演を記録した同名ミュージカルの映画化である。
物語
ロンドン下町の花売り娘イライザ(A・ヘプバーン)は、言語学者ヒギンズ(レックス・ハリスン)に言葉の悪さで侮蔑を受け、言葉使いを教わるためヒギンズの元を訪れる。友人のピカリング大佐から「彼女を半年で貴婦人に仕立てられるか?」と賭けを持ちかけられた彼は、レッスンを引き受けることに。ヒギンズの家に住み込み厳しい指導を受けるイライザ。4か月にわたるレッスンの末、ついに彼女は上流階級の社交場である競馬場でデビューすることになるが――。
こぼれ話
ブロードウェイでのロングランを受けて映画化された本作は、舞台で主役を演じたジュリー・アンドリュースからA・ヘプバーンに配役が変更となった。ヒギンズ役もケーリー・グラントにオファーされたが、ケーリーは「舞台と同じR・ハリスンが演じるべき」と断ったという。なお、J・アンドリュースは本作公開の1964年に『メリー・ポピンズ』に主演している。同年のアカデミー賞では『マイ・フェア・レディ』が主要部門を受賞したが、主演女優賞はJ・アンドリュースのものとなった。