解説
全てのセリフが歌という『シェルブールの雨傘』を作ったジャック・ドゥミ監督が、ミュージカルの王道に立ち返った作品。カトリーヌ・ドヌーヴとドヌーヴの実の姉であるフランソワーズ・ドルレアックを始め、ジーン・ケリー、ジョージ・チャキリス、ジャック・ペラン、ダニエル・ダリュー、ミシェル・ピコッリといった仏米の豪華な出演者が話題になった。
物語
フランス西南部の海辺の街ロシュフォールは、年に一度の海の祭を二日後にひかえて、賑わっていた。この街に住むソランジュ(F・ドルレアック)とデルフィーヌ(C・ドヌーブ)は、素晴らしい恋人にめぐり逢うことを夢見ている双子の姉妹。ソランジュは音楽家を、デルフィーヌはバレリーナを志していた。祭の日、広場にはたくさんの舞台が組立てられ、趣向をこらしたショーがくりひろげられた。ソランジュとデルフィーヌも、とあるきっかけから歌と踊りを披露することになる。
こぼれ話
本作の舞台になるロシュフォールは、フランス南西部の港町。撮影ではロシュフォール市の協力を得ている。市の中央広場を借り切り、四方の家並みを白、青、バラ色などに塗りかえて撮影している。J・ドゥミ監督は、港好きとしても知られており、デビュー作『ローラ』では、自身の故郷であり大西洋の玄関口でもあるナントを舞台にしている。また、『シェルブールの雨傘』の舞台となったのはフランス北西部の港町シェルブール。これらは本作を含めて3部作を成しており、それを匂わせるセリフも使われている。