解説
2001年に公開されたフランス映画。パリのモンマルトルを舞台に、空想好きだが不器用な主人公・アメリの日常と恋を描いたチャーミングで心暖まるロマンス作品。フランスで国民的大ヒットを記録したほか、アメリカで約35億円(アメリカ公開のフランス映画の最高興行収入記録を更新)、日本でも16億円を超える興行収入を記録。英国アカデミー賞オリジナル脚本賞を受賞した。
物語
想像力は豊かだが、周囲とのコミュニケーションが苦手な少女・アメリ(A・トトゥ)。22歳になった今では、モンマルトルのカフェで働いているが、周りの人々を観察しては想像力を膨らませて空想にふける毎日を送っている。だがアメリはあることをきっかけに、彼女なりの奇抜な方法で人を幸せにすることに喜びを見出していく。そんなある日、不思議な青年ニノ(M・カソヴィッツ)に出会った彼女はたちまち恋に落ちてしまう。彼の気を惹こうとするアメリは一計を案じるのだが…。
こぼれ話
ジュネ監督は、本作をイギリスの女優エミリー・ワトソンを主役に想定した『エミリー』というタイトル制作を進めていた。だが撮影直前にワトソンは降板。再キャスティングを始めた頃、『エステサロン/ヴィ-ナス・ビューティー』(99)のポスターを見たジュネ監督は衝撃を受ける。そこに写っていたのがA・トトゥだった。さっそく彼女へオファーをかけ、テスト撮影をしたジュネ監督は「10秒もたたないうちに、彼女こそヒロインだとわかったよ」と語っている。