解説
ミステリー映画の重鎮ヒッチコック監督による、いわゆるワンセットドラマの傑作。「アメリカの良心」ジェームズ・スチュワートは安定感抜群、『ダイヤルMを廻せ!』に続いて登場のグレース・ケリーは清楚な魅力に満ちあふれている。女優の扱いに定評のある同監督の面目躍如たるところだ。
物語
足を骨折し、車椅子とベッドでの生活を余儀なくされているカメラマンのジェフ(J・スチュワート)。彼は退屈しのぎにと、窓から見える向かいのアパートの人々を眺めるのが日課になっていた。ところがある日、セールスマンの夫と口論をしていた病床の妻がいなくなっていることに気づく。恋人のリザ(G・ケリー)などに協力を依頼し、裏窓を通した調査がはじまる。男が妻を殺したのでは、という数々の状況証拠をつかみ、疑いは確信へと変わっていく。そして……。
こぼれ話
ヒロインは、エレガントな美貌で「クール・ビューティー」と賞賛されるG・ケリー。本作が日本公開された年、ケリーはモナコのレーニエ大公と「パリ・マッチ」誌のお膳立てで対談し、意気投合。翌年に結婚している。まさに美しさの絶頂にあった当時の彼女の、凛とした演技を堪能したい。