解説
天才的な頭脳を持ちながら他人に心を閉ざす青年と、最愛の妻に先立たれ失意に喘ぐ心理学者との心の交流を描いたヒューマンドラマ。当時はまだ無名だったマット・デイモンが青年ウィルを演じている。また本作の脚本は、彼が親友であるベン・アフレックと共作したもの。その完成度は高く評価され、1998年のアカデミー賞やゴールデングローブ賞において脚本賞に輝いた。また、心理学者を演じたロビン・ウィリアムズがアカデミー助演男優賞を受賞。ベルリン国際映画祭では銀熊賞も受賞している。
物語
マサチューセッツ工科大学の数学教授ジェラルドは、数学の難問を簡単に解いてしまったアルバイト清掃員ウィル(M・デイモン)に興味を持つ。しかし彼は、傷害事件を起こしては拘置所入りを繰り返していた。ジェラルドはウィルを更生させようと身柄をあずかる。条件は、週2回研究室に来ることと、週1回セラピーを受けること。研究室でも難問を軽々と解いてしまうウィルだが、セラピストには心を開かず、馬鹿にしては追い返してしまう。ウィルに手を焼くジェラルドは、学生時代の同級生でコミュニティカレッジで心理学を教えるショーン(R・ウィリアムズ)に協力をあおぐ。
こぼれ話
ウィルの悪友・チャッキーを演じるB・アフレックは、私生活でもM・デイモンの親友である。1992年に、M・デイモンが大学の脚本の授業のために執筆した40ページの戯曲をB・アフレックに見せたことから映画制作に向けた脚本化を2人で進めることになる。この脚本は、ある制作会社によって映画化が検討されたが上手く進まず頓挫。紆余曲折を経てミラマックス社が脚本を購入し、ようやく本作の制作が決まった。