解説
ジョン・カサヴェテス監督による、ニューヨークを舞台にしたハードボイルドアクション映画。監督夫人でもあるジーナ・ローランズが、マフィア相手に一歩も引かないタフな女・グロリアを熱演した。ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞している。
物語
マフィアを裏切った会計士・ジャック(B・ヘンリー)は、サウス・ブロンクスのアパートで家族ごと命を狙われていた。彼の妻は、友人であるグロリア(G・ローランズ)に、幼い息子・フィル(J・アダムス)の命を託す。マフィアの襲撃でジャックと家族が命を落とす中、アパートから逃走するグロリアとフィル。だが、ジャックはフィルに組織の秘密を記した手帳を渡しており、それを知ったマフィアはフィルの命を執拗に狙う。敵に対して躊躇なく銃を撃つグロリアは、フィルと共にニューヨークからの脱出を計る。
こぼれ話
監督のJ・カサヴェテスは、1954年にグロリア役のG・ローランズと結婚しており、‘89年に亡くなるまでに彼女の主演作を計6本監督している。この『グロリア』の商業的成功を受け、カサヴェテス監督は80年代後半に続編『グロリア2』の脚本も執筆していたという。この件は監督の逝去から25日後に発売された「シカゴ・トリビューン」紙の記事で言及されていたが、現在に至るまで続編の映像化は実現されていない。