解説
クロード・アネの小説『アリアンヌ』を原作に名匠ビリー・ワイルダーが脚色・監督。『麗しのサブリナ』に続き、オードリー・ヘプバーンを主演に迎えたロマンティックコメディ。
物語
パリの私立探偵クロード(M・シュヴァリエ)は依頼人Xの依頼で夫人の浮気調査を行った。Xは浮気現場の写真を見て憤慨し、夫人の浮気相手である大富豪フラナガン(G・クーパー)を殺すと息巻く。これを聞いていたクロードの娘アリアーネ(A・ヘプバーン)は、事件のことが気になりXが泊まるホテルを訪れる。そこで銃を忍ばせるXを見かけたアリアーネは、X夫人とフラナガンを逃がすことに成功。フラナガンからデートに誘われたアリアーネは、次第に彼の虜になっていく。
こぼれ話
本作日本公開当時、ヘプバーンは28歳、クーパーは56歳。実に28歳差のカップルの役どころだ。クーパーは自分の演技に満足していたものの、評論家たちは彼の年齢を理由にミスキャストであると断じた。ちなみにクーパーは、その4年後の1961年にガンのため60歳で亡くなっている。当初フラナガン役はケーリー・グラントにオファーされていたが、グラントはヘプバーンとの年齢差を気にして断っていた。だが結局このふたりの顔合わせは『シャレード』で実現することになる。