誰もそんなことはしたくないが、そうさせるのが戦場、という残酷さと悲惨さ - 「プラトーン」

  • 1. 誰もそんなことはしたくないが、そうさせるのが戦場、という残酷さと悲惨さ
    名前:おっとさん 投稿日:2018/09/02 10:39:28
  • 泥沼化する戦場の最前線に置かれ、異常な状況の中に置かれた一人一人が、それらをどのように受け止め、応じていくかを、主人公を通して目撃させられる。
    村の長に対する尋問がヒステリックにエスカレートしていく場面や、民間人を惨殺するところは、異常さを超えて、良心のかけらも忘れさせてしまうのが戦争の恐ろしさなんだ、この実態を知れ! と訴えかけられているようだった。
    後半、クリスが敵に囲まれたシーンで、行き詰まった感情が爆発したように乱射しながら敵に向かって突入していくところは主人公の感情をもおかしくしてしまう戦場の異常さ、想像できないどうしようもなさを感じた。現場にいたものにしかわからない状況と感情だったんだと思わせた。
    最後にバーンズに銃口を向けた時のクリスの行動には、戦争が人の心に及ぼす恐ろしい陰を感じ、これまでの体験が、誰にも言えない悲惨さを彼自身も自ら背負う道を選ばせることになったのだと思った。
    バーンズ(トム・ベレンジャー)とエリアス(ウィレム・デフォー)の対立がよく描かれていて、現実の異常さにひきずられて感情的判断に陥ってしまった自身の愚かさを隠し通そうとする者と、あくまで兵士として自分の役割を果たしながらも人としての尊厳を失わない行動に徹していた者との対比を主人公の目線で感じることができた。ベトナム戦争の最前線を経験した方々への、理解と寄り添いの大きな材料となりうる作品だと思った。

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