解説

　英国情報部員007ことジェームズ･ボンドの活躍を描く、シリーズ第2作目にして最高傑作との声も高い作品。オリエント急行での死闘をはじめ、手に汗握るアクションシーンの連続。そして歴代ボンドガールのなかでも抜群の人気を誇るダニエラ･ビアンキの妖しい魅力もあり、最高のエンタテインメント大作に仕上がっている。日本初公開時の邦題が『００７／危機一発』で、72年のリバイバル公開時に『ロシアより愛をこめて』と改題された。

物語

　英国情報部のトルコ支局に、ソ連情報部のロマノワ（D・ビアンキ）という女が亡命を申し込んできた。成功の見返りは最新の暗号解読機。そして彼女は、ロンドンへの逃避行の同行者としてボンド（S・コネリー）を指名する。罠とは知りつつ、彼女とともにオリエント急行へと乗り込むボンドであったが……。

こぼれ話

第35代アメリカ合衆国大統領J・F・ケネディは、61年3月に刊行された雑誌「ライフ」誌上でお気に入りの小説10冊をあげた。その中に本作の原作であるイアン･フレミングの小説「ロシアより愛をこめて」がランクイン。それを見たプロデューサーが「００７／ドクター・ノオ」（日本初公開タイトル「007は殺しの番号」）に続くシリーズ第2作目として映画化を決定した、といわれている。（原作小説自体はシリーズ第5作目）